眠っている脳のパフォーマンスを最大限に引き出すには「夢・ゴール」が必要です。
夢やゴール、目的がないと、人間が持っているポテンシャルエネルギーを発揮できません。
眠ったままなのです。
しかしながら、こう言うと「夢は途中で変えていけない」「夢は一途に追うもの」「一度設定したゴールは必ず達成しなければならない」と誤解する人がいます。
そうではありません。一度設定したゴールや夢は途中で変えてもいいのです。
例えば、部活のレギュラーになりたい、と思ってゴール設定してみたところ、レギュラーが取れそうになってきたとします。
となれば、次はチームが全国大会に出場することや、世界大会に出場することなど、ゴールを変えていくことが望ましいでしょう。
でないと、人間の脳は「ああもう余裕だな」と認識すると、途端にエネルギーレベルがダウンしてしまいます。
張り詰めた糸が緩んでしまうかのように。
もしくは、「自分がやりたくないこと」「しっくりこないこと」「嫌なこと」「本来やるべきでないこと」を夢やゴールに設定していた場合、無意識が拒否反応を示すからパフォーマンスが落ちます。
そのような場合は夢やゴールを再設定する必要があるでしょう。
例えば、先ほどの例で言えば、同じ部活を続けることではなく、辞めて他のことをやることが本当の夢やゴールだったりするなど。
しっくり来ない場合はどんどん夢やゴールは更新・変更していく必要があります。
そうしないとパフォーマンスが落ちたり、無意識が傷んでしまう恐れがあるからです。
だから、夢やゴールは途中でいくらでも変えていいのです。
もちろん、まったく異なるゴールや夢でもOK。
例えば、江戸時代に日本地図を作成した伊能忠敬は、50才までは商売をやっていました。
ところが、それから天体観測や測量の知識を学ぶために、19才も下の高橋至時に弟子入りし、修行し直したのです。
晩年は71才で没するまで、17年かけて全国を自ら「歩いて」測量し、日本で初めて精密度の高い地図作りを行ったのです。
このように、夢やゴールというのは、何歳になっても持っていいし、必要であれば、どんどん途中で変えましょう。
また、ジャパネット高田で有名な高田明さんの言葉も紹介しておきます。
高田明さんはテレビショッピングで有名だが、実は42才までは写真現像などをする地方の小さなカメラ屋さんを経営していました。
ところが、縁あってラジオに出ることになり、通信販売の面白さを知ってしまったのです。
そして、新しくゴールが変わりテレビショッピングで大成功したのです。
高田明さんは著書『髙田明と読む世阿弥 昨日の自分を超えていく(高田明著書・日経BP社)』の「いつ初めても遅くない」の章でこう語っています。
「ひょんなことから通信販売の世界の面白さを知り、夢が変わりました。そして、今のジャパネットがあります。いつ始めても遅くも早くもない。
一途に一つの夢にこだわる必要はないと思います。一日一日の積み上げ、さまざまな人や書物などの出会いを通じて、人の考え方は変わっていくものです。」
(引用元『髙田明と読む世阿弥 昨日の自分を超えていく(高田明著書・日経BP社)』2018)
ということで、夢やゴールを持つことは、眠っているポテンシャルエネルギーを発揮する上で重要ですが、それにとらわれることなく、途中で変更し続けていくことも大変重要です。
夢やゴールがない人は、とりあえずでいいので仮設定をしましょう。
それがしっくりこなければ、どんどん途中で変更していけばいいのです。
そうしていくうちに、ピッタリの夢やゴールが必ず見つかってくるでしょう。