自営業者の資産形成、資産防衛のためには株式投資は使えます。
しかしながら、短期トレードはお勧めできません。
なぜでしょうか?
短期トレードはギャンブルだからです。
例えば、「サイコロを振って6の目を出してください」と言われたとします。
その場合、1回で的中させるのは6/1の確率で難しいでしょう。
ところが、「10回振ってもいい」と言われたらどうでしょうか?
かなりの確率で6の目を出せそうです。
どういうことかというと、短期では成果を予測できないが、長期ではおおむね確率通りの成果を出しやすいということです。
これは株式投資でも同様です。
優秀な企業であれば、長期では利益を積み上げ、企業価値を上げていきます。
そして、株価というのも、おおむねその通りに上がっていくものです。
しかしながら、短期の株価はわかりません。
人の思惑や心理が作用するからです。
「上がりそう」「下がりそう」といった、思惑で動くのであり、決して企業の実力で売り買いがされるとは限らないのです。
その場合は、企業の業績の未来を予想するというよりは、「人の心理を予想する」兼ね合いの方が強くなります。
競合の短期トレーダーが「上がる」と予想すれば上がるし、「下がる」と予想すれば下がります。いずれも短期的ではありますが。
そして、この人の心理は予想が大変難しいのです。
例えば、2022年北京冬季オリンピックのアイススケートで羽生結弦さんが惜しくもメダルを逃しました。実力的には申し分ないにも関わらずです。
なぜ、実力があるのにメダルを獲得できなかったのか?
オリンピックという「短期」のイベントでは何が起こるかわからないからです。
ところが、仮に羽生結弦さんが何回も大会に出場すれば、「トータル」でメダル獲得数は上位に間違いなく入ることは予測できるでしょう。
投資というか、資産形成はこの「トータル」での総得点数を積み上げることに似ています。
そして、社長などの自営業者は、すでに本業でリスクを高めに取っているからこそ、資産形成ではディフェンシブに勝利を積み上げていくことが得策です。
逆にサラリーマンや公務員の方なら、仕事の給料は安定化していますから、投資では積極リスクを取ってもいい立場であるとも考えられます。
社長は本業はリスク高めで攻める。資産形成ではリスク低めでディフェンシブにいくのがセオリーです。
間違っても短期トレードのギャンブルはしないようにしましょう。
一応補足しておきますが、短期トレードそのものやギャンブルが悪いと言っているわけではございません。短期トレードにも役割はありますし、ギャンブルも意味はあります。
ただし、忙しい本業のある社長の資産形成の方法論としてお勧めできないというお話です。