株式投資は個人か法人、どちらでやった方がいいか?

先日、コンサルティングしている中で、興味深い質問がありました。

その回答をシェアします。

「株式投資は個人と法人どちらでやった方がいいですか?」

これに対し、私はこう回答させていただきました。

「それぞれ、メリット、デメリットがあります。

まず、個人で株式投資をする場合のメリットは、何と言っても税率です。

どれだけ儲かろうが、基本的には一律20.315%ですみます(税率は共に20.315%(所得税15.315%、住民税5% ※復興特別所得税を含む))。ざっくり約2割と覚えておきましょう。

 

ところが、法人で株式投資をすると、法人で稼いだすべての損失や利益と合算することになります。

それに応じて法人所得税などがかかってきます。

この場合、ざっくりと利益800万円以内は約2割、それ以上だと約3割です。

なので、800万円以上、会社で利益を出している場合は、個人で株式投資をするのに比べて高い税金を払うことになります。

このように、まず、個人と法人での株式投資において、税率の違いが大きな特徴です。

 

2つ目の特徴は、損失の繰越ができる年数の違いです。

こちらは結論から言うと、法人の方にメリットがあります。

法人は9年に対し、個人は3年です。

なんと3倍も違いがあります。

たとえば、今年、法人で株式投資の損失を500万円出したとします。

その後、ようやく5年目に会社が利益500万円出せるようになったとしましょう。

すると、プラスマイナス0ですから、この年は法人税を払う必要はありません。

 

ところが、個人で今年、株式投資で500万円の損失を出したします。

ようやく5年目に株式投資で500万円儲かりました。

しかしながら、この場合、500万円に対し、約2割の税金である100万円を納めなければなりません。

なぜなら、繰越損失が使えるのは3年までだからです。それを過ぎたらリセットされます。

これが株式投資を個人と法人で行う場合の特徴の2つ目です。

 

3つ目は、「そのほかの損益と合算できるかどうか」の違いです。

これも非常に重要なので理解しておきましょう。

まず、法人から説明します。

法人の場合、すべての利益と損失を同じ箱に入れて計算します。

不動産投資で儲けようが、FXで儲けようが、ビジネスで儲けようが、仮想通貨で儲けようが、株式投資で儲けようが、同じ法人内であれば、すべて合算して考えます。

例えば、FXで100万円損して、株式投資で100万円儲けたとします。

この場合、同一法人内であれば、プラスマイナス0です。

ですから、税金はかかりません。

 

ところが、個人の場合はどうか?

合算できるものと、そうでないものが細かく違ってきます(詳しくは国税庁ウェブサイト「損益通算」をご覧ください)。

例えば、FXと株式投資では、まったく違う箱で考える必要があります。

先ほどと同じように、個人でFXで100万円の損を出して、株式投資で100万円で儲けたとします。

この場合、FXの箱と、株式投資の箱は別で税金の計算がされるので注意が必要です。

株式投資で儲けた100万円には、約2割の20万円ほど税金支払いになります。

FXで損しているにも関わらずです。

このケースでは、法人は税金を払う必要がなかったのに、個人では税金を払わなければなりません。

(ちなみに、個人でFXで損をした場合は3年間の損失繰越が可能です。)

このように、個人は「収入の箱」が細かく分けられるのに対し、法人はすべて「同じ箱」で計算される点に特徴があります。

 

以上が、個人と法人で株式投資する場合の大きな違いです。

どちらが損か得かではなく、おのおのの「戦略」に応じて使い分けることが重要になってきます。

ちなみに私は、両方で運用していますし、クライアントさんにもそのように指導しています。

 

ちなみに、この辺りの法人を活用しての投資戦略を「ヴィークル設立戦略」とも言います。

こちら投資と税金において、オススメ参考図書を紹介しておきます。私も大変参考にしています。

資産運用のカラクリ〜投資と税金篇〜2016(安間伸著書・東洋経済)』

2016年と少々古いですが、根本的な考え方は色あせていません。

投資戦略を考える上で大変役立つ著書のですので、参考にしてみてください。

作野裕樹プロフィール
株式会社レジェンドプロデュース、株式会社創伝社の代表取締役。自ら会社を経営し、資産形成していく中で「巷の一般的な資産形成法は会社員向けばかりで社長向けではない」と実感し、忙しい社長や自営業者向けに本当に役立つ資産形成戦略について情報発信中。ファイナンシャルプランナー。愛知県名古屋市出身。全国賃貸住宅新聞社『家主と地主』にて自営業者のための確定拠出年金戦略についてのコラム連載執筆経験を有する。
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