社長の資産形成には株式投資は有用な方法の1つです。
そして、よく株式投資には「保険をかけた方がいい」と言われます。
その手法としては「オプション」や「先物」をよく使います。
例えば、株を買うのと同時に、株式暴落時に儲かる「プットオプション」なども買っておくのです。いわゆる「ヘッジ」です。
そうすれば、株が上がらず、万一暴落になった時に損失を相殺して減らすことができるというのです。
ところが、話はそう簡単ではありません。オプションでのヘッジにはいくつかのデメリットがあります。
1つ目のデメリットは、「保険を払い続けなければならない」ということです。
当たり前と言えば当たり前ですよね。保険ですから。保険料を払わなければなりません。
自動車保険や生命保険などと同じです。
このコストが見合っていればいいのですが、大体はコスト割れします。
当然、払い込んだ保険料(オプション)は返ってきません。
2つ目のデメリットは、「オプションを扱っているライバルはプロであり、強者がほとんどであるという事実」です。
大手のディーラーであったり、賢いプロのファンドマネージャーがオプションを駆使しているのです。
そのような中で、ちょっと勉強したぐらいの個人投資家が簡単には勝てません。オプションの世界は甘くないのです。
私も実験でオプションを実際にやったことがあります。が、簡単には勝てません。
例えるなら、通常の株式投資の世界が一般道路だとすれば、オプションの世界はF1レーサーが0.1秒を争うようなところです。
そのような中で勝つのは容易ではありません。
ということで、株式投資のヘッジとして「オプション」を使うのは、お勧めしません。
ちなみに、全米No.1ファンドマネージャーと言われた天才投資家ピーター・リンチは著書でこう語っています。
今日、先物やオプションは、株式投資のヘッジのためのポートフォリオ保険として役に立つと言われる。
私の多勢の仲間もこれを信じて、たいてい坂道をころげ落ちていく。
(引用元『ピーター・リンチの株で勝つ(ピーター・リンチ/ジョン・ロスチャイルド著、ダイヤモンド社)』)
天才投資家ピーター・リンチが言うのですから説得力ありますね。
また、こちらの投資家必読の名著でもオプションで勝つことの難儀について語られています。
一部の市場の専門家は、オプション市場に参加する個人投資家の85%は損をしていると推測している。オプション購入者は市場の方向性を正しく認識しなければならないうえに、売買のタイミングが完璧に近く、行使価格の選択も適切でなければならない。
(引用元『株式投資~長期投資で成功するための完全ガイド(ジェレミー・シーゲル著、日系BP社)』)
オプションで利益を出すことの難しさがよくわかる内容です。
とはいえ、一方通行の投資ではなく「ヘッジ」は重要です。
では、どうやって「ヘッジ」すればいいのか?
一言で言えば、分散投資をすることです。
様々な業界業種、国外などの株式を組み合わせることで、リスクを減らすことができます。
または、金や物、不動産なども株式との分散効果はあります。