『令和の巨人軍(中溝康隆著書・新潮新書)』読了。

プロ野球

たまらなく面白かった一冊。

令和の巨人軍(中溝康隆著書・新潮新書)』

巨人ファンの巨人ファンによる巨人ファンのための一冊ですね。これでもか!というぐらい巨人について、温かく、時に厳しく、冷静に哲学した内容となっています。

著者が1979年生まれでほぼ同世代。「松本、篠塚、吉村、原、クロマティ、中畑、河埜、山倉、江川」といったスタメンがそらで言える世代です。歩んできた時間軸もほぼ同じ。なので、ウンウンと強烈に納得する箇所多数でした。

特に納得したのは実は巨人ファンのコンプレックスは「巨人ファンであること」を公開しづらいことであると本書に書かれていますが、大変納得します。巨人ファンならではの悩みと言えるでしょう。
巨人ファンと公言すると、高確率で「あ~巨人ファンですか」と冷ややかな返答が返ってきます。その理由は、巨人ファンというマスであることからのミーハー感を感じさせること、もう一つは昨今FAなどでカネに物を言わせてなりふり構わず補強してきた見境のなさに対する嫌悪感などが挙げられます。

巨人ファンですら、最近の功労者である長野義久や内海哲也をあっさり放出した時は、あまりのドライさに「もう巨人ファンやめようか」と呆れたぐらいなので、その気持ちはよくわかります。
でも、やはり巨人は巨人なのです。もしドラ息子がいたとしたらきっと見捨てられないように、やはり巨人ファンはなんだかんだ巨人を見捨てられないのです。

そんな巨人ファン歴30年以上の複雑な心理の変遷を細やかに表現している面白い本です。
単なる巨人ファンのウンチクに留まらず「社会学」的な観点から考察されている点に知性を感じます。

巨人ファン或いは野球ファンなら確実に楽しめる一冊です。
本書をきっかけに野球ファンが増えることを願って止みません。

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