「金融・銀行業界」の未来を読み解く書籍たち。(2019年版)

ゆる書評

2019年に読んだ「金融」「銀行」業界に関する書評記事を一つにまとめました。資本主義を攻略するには金融や銀行業を理解する必要があります。当記事が金融や銀行業界をより理解するためのお役に立てば幸いです。

6位:『銀行はこれからどうなるのか(泉田良輔著書/クロスメディア・パブリッシング)』(2019/5/23)


銀行はこれからどうなるのか(泉田良輔著書/クロスメディア・パブリッシング)』を読みました。

2017年4月に出版された本ですね。

読もうと思った理由は、資本主義社会を知るには「金融業」とくに「銀行業」を理解する必要があると思ったからです。

『金持ち父さん・貧乏父さん』著者のロバートキヨサキも『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント(筑摩書房)』の第9章にて「二十代の半ば、私はこのゲームの勝利の秘訣は銀行(銀行員ではない)になることだと思い当たった。(p242引用)」と言っていますしね。

「銀行業」を知ることは資本主義攻略の近道です。

お金はいい意味でも悪い意味?でも、銀行を通じて回されていきます。

その銀行業の「現在」と「行き先」を知ることは、資本主義社会で活躍するためには重要です。

昨今、「フィンテック」がひとつのブームになっているように、金融や銀行業界周辺が劇的に変わりつつあります。

例えば、Amazonが銀行業界に参入してきたらどうなるか?否が応でもビジネス環境は変わってくるでしょう。

本書銀行はこれからどうなるのか(泉田良輔著書/クロスメディア・パブリッシング)』はそういった銀行業界の今と未来を理解したい方にオススメの内容です。

ただし、内容は金融中級者向けですので、経済や金融の初心者の方には不向きな内容かもしれません。

初心者の方はまずは『金持ち父さんの投資ガイド入門(ロバートキヨサキ著書/筑摩書房)』を熟読されることをお勧めします。

銀行はこれからどうなるのか(泉田良輔著書/クロスメディア・パブリッシング)』

目次

第1章 私たちと銀行の関係はどう変わるか
第2章 銀行のいまを知る
第3章 銀行のこれからを考える
第4章 世界の銀行はすでに動き始めている
第5章 金融にシリコンバレーがやってくる
第6章 日本の銀行が向かう先にあるもの

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5位:『あしたのための「銀行学」入門(大庫直樹著書/PHPビジネス新書)』(2019/6/12読了)


あしたのための「銀行学」入門(大庫直樹著書/PHPビジネス新書)』を読みました。

なぜ読もうと思ったか?

資本主義を理解するためには、「銀行」の仕組みを知ることが必須だからです。

銀行は経済の「ポンプ」のような役割です。お金を社会に流していく役目を果たしています。

だからこそ、資本主義経済を理解するには銀行を知る必要があるわけです。

ということで、本書を読みました。

一言で言うと、わかりやすいです。

銀行や金融を学ぶ初心者にオススメの内容です。

金融系の本の多くは、専門的なものも多く、とっつきづらい欠点があります。

初心者向けや入門書と書いてあっても、どうしても「専門的内容」を取り上げざるを得ないのでしかたないのです。

が、本書『あしたのための「銀行学」入門(大庫直樹著書/PHPビジネス新書)』は金融のプロや教授が書いたものではないため、とっつきやすい入門書となっています。

タイトルに「銀行学」と書いてあったので、もう少しサイエンスな感じかなと思ったのですが、良くも悪くもそうではありませんでした。

ただ、繰り返しになりますが「銀行の収益モデル」を理解する上で、とてもなじみやすい入門書であることは間違いありません。

金融パーソン向けではなく、一般のビジネスパーソン向けの内容に仕上がっている点に価値があります。

投資家として成功したいなら「銀行とのおつきあい」は非常に重要になってきます。

銀行を理解する上でオススメの入門書です。

あしたのための「銀行学」入門(大庫直樹著書/PHPビジネス新書)』

目次

プロローグ みんな名前が変わりました
第1章 貸し渋りって本当ですか?
第2章 預金ばかり集まって困っています
第3章 ALM収益という魔物
第4章 金融技術を責めないで
第5章 イノベーションの乏しい世界
第6章 あしたの「銀行」は・・・?
エピローグ 本質は21世紀の中小企業問題

4位:『日銀を知れば経済がわかる (池上彰著書/平凡社新書)』(2019/9/23)

日銀を知れば経済がわかる (池上彰著書/平凡社新書)』を読みました。

知っているようで意外と知らない「日銀」の仕組みについて、今一度、理解を深める目的で読書。

おおまかな日銀の構造や役割について、ざっくばらんに学べる良書です。

日銀の株主って誰?といった「裏」面には触れられていませんが、きっちりと「表」面を理解するには申し分ありません。

経済=お金の流れを知るためには、「日銀」をよく理解する必要があります。

身体でいえば心臓や血液ポンプの役割を担っていますので。

日銀を理解すれば、経営者であれば先手を打つことができますし、投資家であれば未来予測に役立てることができます。

日銀を知るための入門書として本書は最適です。

日銀を知れば経済がわかる (池上彰著書/平凡社新書)』

3位:『銀行員はどう生きるか(波川攻著書/講談社現代新書)』(2019/6/18読了)


銀行員はどう生きるか(波川攻著書/講談社現代新書)』を読みました。

銀行業界の行く末を知りたくて、読みました。

「銀行員向けかな?」と思い、あまり期待しないで読んだのですが、結果、とてもよかったです。

銀行員向けというより、銀行業界、そして、最近話題の「フィンテック」に関する知識が高まる本です。

フィンテック関連は、これから起業する人、若手起業家などにはビッグチャンスです。

今までの金融の流れを大きく変えます。そこに食い込むことができれば面白いことになると思います。

しかしながら、そのためには銀行業界を知っておく必要がありますよね。そのために最適な一冊です。

そして、チャンスをにおわせる箇所が『銀行員はどう生きるか(波川攻著書/講談社現代新書)』本文中にもありました。

資本力という面では、依然として圧倒的に優位な既存の大手銀行が、フィンテック・プレーヤーを次々と買収しているように、このようなデジタル銀行もやがて買収されるのかもしれない。(p147より引用)」

要するに、フィンテック系のベンチャーは銀行業界にとって、脅威ではあるが、買収して味方にしてしまうこともあるということ。

これは、ベンチャーやスタートアップにはチャンスかもしれません。

フィンテック関連で何かサービスを作り、メガバンクに高値で売却する、というシナリオも描きやすい時代になりました。

メガバンクに限らず大企業は官僚体質のため、リスクを取りたがりません。イノベーティブな事業立ち上げには向いていないのです。

なので、リスクを恐れず立ち向かうベンチャー起業家が、大企業やメガバンクの代わりにイノベーティブな事業を立ち上げくれるのは大変ありがたいわけです。

起業の「出口」をイメージする、もしくは、シナリオを複数用意するということは起業家にとっては非常に重要です。

さて、『銀行員はどう生きるか(波川攻著書/講談社現代新書)』を読んでみると、ずいぶん印象が変わるのが、「銀行員のイメージ」です。

銀行員というと、一昔前は「安定した職業」の代表格でした。

が、情報革命が進んだ現在はそうではなくなってきていますね。

本書を読むといかに銀行業界が厳しいかがよくわかります。

銀行業界の未来を知りたい人、フィンテック関連事業で一旗揚げたい人におススメの一冊です。

銀行員はどう生きるか(波川攻著書/講談社現代新書)』

目次

第1章 メガバンク「大量人員削減」の衝撃
第2章 激変する銀行員人生
第3章 米銀の現状に見る邦銀の未来
第4章 フィンテック時代の銀行
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2位:『金融の世界史(板谷敏彦著書/新潮選書)』(2019/6/6読了)


金融の世界史(板谷敏彦著書/新潮選書)』を読みました。

一言でいうと、壮大でした。

「金融」の観点から歴史を紐解くための良書。

資本主義を理解するための必読書とも言えるでしょう。

個人的に面白かったのは、日本の戦前・戦中・戦後あたりの経済について。

意外と多くの方が知らないのですが、第二次世界大戦のさなかの株式市場は比較的安定していたということ。

株価のチャートを見るならば、日本の都市と工業地帯が空襲で焼け野原となり、若者が根こそぎ戦争に総動員される中でも、株価だけは何故か堅調に推移していました。(p190より引用)」

戦争さえ終われば、兜町は世間よりもよほど切りかえが速かったようです。十五日の終戦をはさんで二八日には閉鎖前の九日までの受け渡し未了の清算をして、一旦区切りをつけました。そしてその後は、すぐに業者間で株の店頭取引が始められました。(p194より引用)」

一般的には、戦争中は混乱していて、株どころではない・・・と考えそうですが、事実は異っていますね。

こういうところに資本主義を読み解くヒントが隠されているといえるでしょう。

そのほか、金融やマネーに関するエピソード満載で、経済活動に従事するすべての方に役立つ良書です。

前回ご紹介した『会計の世界史(田中靖浩著書/日本経済新聞出版社)』と合わせて読むと、よりいっそう理解が深まります。

金融の世界史(板谷敏彦著書/新潮選書)』

目次

第1章 金利も銀行もお金より先にあった
第2章 貨幣の幻想
第3章 アリストテレスの考え方
第4章 中世の宗教と金融
第5章 大航海時代
第6章 東インド会社と取引所
第7章 国債と保険の始まり
第8章 ミシシッピ会社と南海会社
第9章 アムステルダムからロンドンへ
第10章 イギリスからアメリカへ
第11章 戦争と恐慌と
第12章 大戦前後の日本の金融市場
第13章 戦後からニクソン・ショックまで
第14章 日本のバブル形成まで
第15章 投資理論の展開

金融の世界史(板谷敏彦著書/新潮選書)』

1位:『アマゾン銀行が誕生する日(田中道昭著書/日経BP)』(2019/8/4読了)

アマゾン銀行が誕生する日(田中道昭著書/日経BP)』を読みました。

タイトルに「アマゾン銀行」と書いてあるので、よくある「アマゾン礼賛本かな?」と思っていました。

が、「アマゾンびいき」の偏った視点ではなく、客観的な視点から銀行業界の「今」と「未来」を表現している良書でした。

過去現在未来などの時間軸だけでなく、日本、中国、世界の空間軸視点からも考察されていて、大変勉強になります。

さらに、アマゾン側(フィンテック新興勢力)と既存勢力の両者の視点から偏りなく表現されていたこともよかったです。

時折、こういった「今」「未来」を描写した本を読んでおくことは、時代に取り残されないためにも大事なことです。

本書でも「え?世界ってそんなに動いてたの?」と驚くことばかりです。

例えば、中国のアリババやティンセントが、想像以上に成長していて、世界を席巻し始めています。

日本人の私たちの多くはそれを知りません。

最近、タクシーに乗ると、「タブレット」が置いてあり、「バーコード」を読み取って、「ネット決済」することが当たり前になってきました。

さらに最近では、「見たこともない決済マーク」があったのです。

タクシーの運転手に「これなんですか?」と聞いたら、「中国人?が使う決済システムらしいです。今日導入したばかりなので、私もまだ使ったことないんですけどね。」と言っていました。

要するに、アリペイやWeChatPayが当たり前のように導入され始めたのです。

驚くほど、中国のハイテクは進んでおり、日本や世界にも浸透し始めています。

日本は、SNS事業なども大敗(あえてmixiぐらいでしょうか)。

facebookやLINEなど、大切なコミュニケーションツールなどがすべて海外製・・・

それに続いて、フィンテックまでもが「海外製」になってしまいそうです。

「情報」も「お金」も海外製?日本これでいいのか??と心配になってしまいます。

話はそれますが、麻雀の世界でもデジタル化が進んだことで、ビッグデータが蓄積され、今まで「常識」とされていたことがことごとく塗り替えられていっているそうです。

私たちが「常識」と思っていることも、どんどん塗り替えられていっているので、先端を的確に表現した本はたまに読むことをおススメします。

アマゾン銀行が誕生する日(田中道昭著書/日経BP)』

目次

序章 2025年4月の近未来

第1部 「金融のあるべき姿」を問い直す戦い

第1章 戦いの構図
第2章 新しい当たり前
第3章 金融実務経験に基づく自戒と問題意識

第2部 金融ディスラプターの戦略

第4章 アマゾン銀行が誕生する日
第5章 中国を世界最先端のフィンテック大国に変えたアリババ、ティンセント
第6章 日本の金融ディスラプター

第3部 既存金融機関の反撃

第7章 ゴールドマン・サックスとJPモルガンの決断
第8章 邦銀のデジタルトランスフォーメーション
第9章 「世界一のデジタルバンク」DBS銀行
最終章 「金融4.0」は日本から生み出される

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