『金融の世界史(板谷敏彦著書/新潮選書)』読了。

金融の世界史(板谷敏彦著書/新潮選書)』を読みました。

一言でいうと、壮大でした。

「金融」の観点から歴史を紐解くための良書。

資本主義を理解するための必読書とも言えるでしょう。

個人的に面白かったのは、日本の戦前・戦中・戦後あたりの経済について。

意外と多くの方が知らないのですが、第二次世界大戦のさなかの株式市場は比較的安定していたということ。

株価のチャートを見るならば、日本の都市と工業地帯が空襲で焼け野原となり、若者が根こそぎ戦争に総動員される中でも、株価だけは何故か堅調に推移していました。(p190より引用)」

戦争さえ終われば、兜町は世間よりもよほど切りかえが速かったようです。十五日の終戦をはさんで二八日には閉鎖前の九日までの受け渡し未了の清算をして、一旦区切りをつけました。そしてその後は、すぐに業者間で株の店頭取引が始められました。(p194より引用)」

一般的には、戦争中は混乱していて、株どころではない・・・と考えそうですが、事実は異っていますね。

こういうところに資本主義を読み解くヒントが隠されているといえるでしょう。

そのほか、金融やマネーに関するエピソード満載で、経済活動に従事するすべての方に役立つ良書です。

前回ご紹介した『会計の世界史(田中靖浩著書/日本経済新聞出版社)』と合わせて読むと、よりいっそう理解が深まります。

金融の世界史(板谷敏彦著書/新潮選書)』

目次

第1章 金利も銀行もお金より先にあった
第2章 貨幣の幻想
第3章 アリストテレスの考え方
第4章 中世の宗教と金融
第5章 大航海時代
第6章 東インド会社と取引所
第7章 国債と保険の始まり
第8章 ミシシッピ会社と南海会社
第9章 アムステルダムからロンドンへ
第10章 イギリスからアメリカへ
第11章 戦争と恐慌と
第12章 大戦前後の日本の金融市場
第13章 戦後からニクソン・ショックまで
第14章 日本のバブル形成まで
第15章 投資理論の展開

金融の世界史(板谷敏彦著書/新潮選書)』