凡人が富裕層になるための名著『私の財産告白(本多静六著書・実業之日本社)』

成功本には二種類のタイプがあります。

それは「王道」と「覇道」です。

王道と覇道とは元々は中国の政治思想に基づくもの。

しかしながら、近年の使い方は若干解釈が異なってきており、どちらかというと王道は「セオリー」と解釈されているように思います。覇道は「破天荒」「異端児」「革命家」のやり方の意味に近いでしょう。

この二種類は分けて私たちは考えなければなりません。

でなければ、自身のタイプが異なるのに目指すべき道を誤ってしまう危険性があります。

 

そして、残念なことは、世の中に出回っている多くの書籍、ノウハウは「覇道タイプ」がほとんどであること。当たり前と言えば当たり前ですね。

王道タイプは言ってることが変わりません。時代が変わってもほとんど変化がないのです。あまりにも地味。だから目立たないし、売れません。

 

逆に覇道タイプはこの「王道タイプ」を痛烈に否定するからよく売れます。

新しいし、斬新だし、面白い。破壊力もあるのです。

「珍しい」ことなのでニュースにもなります。マスコミも取り上げやすい。テレビ番組を沸かせることもあります。

例えば、「宇宙旅行」のネタはニュースになるのです。芸能人の●●と付き合っていることがニュースになること等も同様です。

 

ところが、私たちはこの「覇道タイプ」の情報やノウハウには気をつければなりません。

なぜなら、容易には「真似できない」からです。再現性に乏しい。その人本人だからうまくいった方法である可能性が高いのです。

「たまたま」うまくいった可能性も高い。

それを真似すると、多くの凡人はいらぬ苦労をすることになります。

 

では、どうすればいいか?というと、「地味」で「面白み」がないかもしれませんが、私たち凡人は「王道タイプ」の書籍やノウハウ、情報を取り入れることが寛容なのです。

その一つが、今回紹介する本多静六氏の『私の財産告白(実業之日本社)』になります。

本多静六とは?

1866年生まれの職業学者でありながら、蓄財投資を実践し、財産を膨らませた投資家でもあります。晩年は資産として持っていた埼玉県の山林約2600ヘクタールを埼玉県に寄贈。そこから上がった収益で奨学金制度もスタートし、これは今も続いているのです。(→埼玉県本多静六奨学金制度

要するに、学者なのに副業で地味に堅実に投資をして資産を膨らまし、晩年は社会貢献にその資産を使った凄い人ということです。

 

その投資法やお金の哲学について、『私の財産告白』等では書かれています。

この本は、とにかく地味。つまらない(私は面白いと思っているが)。派手さはまったくありません。

例えば、「財産を作ることの根幹は、やはり勤倹貯蓄だ。これなしには、どんなに小さくとも、財産と名のつくほどのものはこしらえられない。さて、その貯金がある程度の額に達したら、他の有利な事業に投資するがよい。(『私の財産告白』p29より引用)

真の金儲けはただ、徐々に、堅実に、急がず、休まず、自己の本職本業を守って努力を積み重ねていくほか、別にこれぞという名策名案はないのであって、手っ取り早く成功せんとするものは、また手っ取り早く失敗してしまう。(『私の財産告白』p124より引用)」

なんのことはない。当たり前のことです。ダイエットするのに「食べなきゃいい」と言っているようなもの。また、手っ取り早いダイエットを目指せば、成功してもリバウンドしてしまうのも当たり前でしょう。

 

しかし、しかし、だからこそ、地味にじわじわと「効いてくる」のです。

人間は煩悩だらけ。ふと欲にかられ、「一発逆転」を狙ったり、「儲け話」の誘惑に乗ってしまうことがあります。ちょっとした投資に成功すれば「自分は天才だ」と自惚れてしまうこともあるでしょう。

「今すぐ儲かる!」「簡単に儲かる!」などの覇道タイプの本を本屋で見かけると、ついつい目を奪われてしまうこともあります。

そのような時に「安易な近道などない」と「王道」で戒めてくれるのが本多静六の著書です。

これこそ凡人が堅実に「成功」するための名著。

凡人は「王道」を守るべし。欲をかいて一見「カッコいいこと」に心を奪われないことです。本多静六氏の『私の財産告白(実業之日本社)』はそういった「王道」に戻らせてくれます。私も何冊も保有しています。何度も何度も繰り返し読んでいる名著です。